植物エネルギー堀田清薬草研究所へようこそ。 当研究所は、北海道医療大学で行ってきた約30年間の研究の集大成として、2022年4月に設立されました。堀田清が唱える「五感を通して自然と調和し、心からの笑顔になることが健康の極意である」という哲学を、「自然農」「DIYリフォーム」を二本柱とした活動の中で実践、実証する研究を行っています。
詳しい背景は研究所紹介ページをご覧ください。
外壁全体の塗装が進む中、最後の一歩として取り組んだのが、研究所の「顔」である玄関周りです。単に色を塗るだけでなく、手で触れる質感や遊び心、そして厳しい自然環境に耐えるための実用的な工夫を凝らした、当研究所ならではの「家を紡ぐ」プロセスを詳しくご紹介します。
難敵「フッ素樹脂塗装」への挑戦
8月20日に一部を除いて外壁塗装が終了したのですが、研究所の正面であり、一番の顔である1階の出っ張った増築部分については、元の黒い色のまま残っていました。実はここは私たちの前に住んでいた人が増築した部分で比較的新しく、しかも対候性の高い「フッ素樹脂塗装」なのです。
フッ素樹脂塗装は汚れをはじく力が強いため、そのまま上に塗料を塗ってもはじいてしまって定着しません。さらに耐用年数は15~20年といわれます。増築されたのはおそらく6~7年前。
増築部分がフッ素樹脂塗装であることは、屋根を塗装してくださった職人さんが教えてくださいました。「せっかく新しい高級な塗装なのだから、ここは塗らないでそのままにしたほうがいいと思いますよ」と。
塗装が難しいということで、いったんはあきらめかけましたが、やはりデザインの面から言って、ここだけ黒のままにしておくことはできません。せっかくの植物エネルギーを意識したカラフルでメルヘンなイメージが台無しです。塗装作業を進めながらこの課題を解決する策を練り続けました。
もともとこの増築部分はアクセントとして違う色にしてみたいという思いがあり、茶色のペンキを発注していました。本当は、レンガを貼りたかったのですが、幌加内という極寒の地であり、素人の適当な施工では、冬場の凍結の影響ではがれたりするかもしれない、しかし本格的なレンガ張りをプロに発注するのは費用が掛かりすぎるし、やはりできるだけ自分たちでやりたい。

いろいろ考えたり調べたりしているうちに、MORUMORUという商品名の漆喰風塗料を見つけました。これならば、玄関回りの釘穴などの補修をしつつ、凹凸の表面が母屋のサイディングやガレージ、離れのトタンとは違った趣のある外観が作れるのではないか。直感的に「これだ!」と感じました。
しかし、フッ素樹脂塗装の壁に塗って剥離しないかどうかという問題がまだ残っています。
そこで、Amazonの商品ページの質問欄より、フッ素樹脂塗装の壁に塗れるかどうかを質問してみたところ、なんとメーカー(ニッペホームプロダクツ)の方から直接回答をいただけました。
回答:10年以上経っておりますサイディングでしたら、「油性密着強化下塗りシーラー」を下塗りし、MORUMORUを塗ることは可能です。
比較的新しいサイディングでしたら、表面のやすり掛けと上記シーラーを下塗りしてから、MORUMORUを塗装してください。
この専門家のアドバイスが、不安を確信へと変えてくれました。迷わずニッペの油性密着強化シーラーを手配し、次なるステップへ進むことにしました。
試験的にMORUMORUを塗る
決心したもののまだ自信がなく、まずは比較的目立たない横の壁に試しに塗ってみることにしました。

下の光沢がある部分がやすり掛け後シーラーを塗布した部分です。ここに手でモルモルを塗りつけていきます。

使い捨てビニール手袋をはめた手で塗りつけていきます。これは楽しいです!幌加内の爽やかな夏風を肌に受けながら、手にMORUMORUのふわふわとした粘りや、ひんやりした質感を感じつつ、適度な厚みになるように壁面に塗りつけていく。これこそが五感を通じて取り入れる感動、すなわち「理気薬」の実践です。

無心で塗っていたら、あっという間にシーラーを塗った部分をすべて塗り終えました。
そして、一枚だけくっつけてみたのは「かるかるブリック」という商品名の薄く焼いたレンガ。もともとレンガ貼りにしたいという夢があり、試しに買っておいたものです。乾く前のMORUMORUに貼り付けたら、乾いて接着するのでは?という思い付きと勢いに任せて一枚だけ貼ってしまいました。綿密に計画してから実行に移すだけでは楽しみに欠ける。こんなふうに、時には考えなしに行動してみるのもまた心のクスリになります。
やすり掛けとシーラー塗布
やり始める前はさんざん悩みましたが、やり始めてみると勢いがつきます。もし数年後はがれたりしても、別に大した問題じゃない、それよりも今楽しむことが大切!
勢いに乗って黒いフッ素樹脂塗装のすべての壁のやすり掛けを始めました。

「やすり掛け」と簡単に言っても、それも初めての経験。どの程度まで傷をつければOKなのか、正解を教えてくれる人は誰もいません。自ら判断し実践する。それ自体が心の筋力トレーニングとなるのです。

手で持ってこするハンドサンダーと写真の電動サンダーを交互に使用してやすり掛けしました。どちらにしても体力を消耗しますが、使う筋肉が異なるため、交互に作業することで何とかこの重労働をやり遂げました。

やすり掛けが終わったらシーラー塗布です。これもまた重労働です。特に天井はスポンジローラーにシーラーをしみこませる度合いが多すぎれば垂れてくるし、足りなければちゃんと塗れているのかどうかよくわからない、といって押し付ければまた垂れるという難しさがありました。長い柄を支えながら動かすのも腕の筋肉の持久力が試されます。
この風除室の天井はフッ素樹脂塗装の壁とは違う理由でやはりシーラーが必要なのです。その目的は蓄積した汚れを封じ込めること。そのままモルモルを塗ったのでは表面に汚れが染み出してくるということなので、やはりシーラーを事前に塗ることが必要なのです。


短い柄のローラーのほうが取り回しが楽で、力も要らないので、途中から持ち替えました。
MORUMORUを手で塗る
シーラーを塗り終わり、乾燥時間3時間を取ってから、いよいよ本格的にMORUMORUを手で塗っていきます。

8月末まで足場を撤去せずにおいてもらえるとのことでしたが、この日はすでに8月27日。まだ足場があるうちに、着手できてよかったです。この高さなら脚立でも塗れそうですが、やはり足場があることで、こんな風に二人で並んで楽しくリラックスして塗ることができました。

午前中にシーラーを塗り、午後いっぱいをかけて一日でここまで塗ることができました。
クスサンの襲撃、そして・・・

この日、見慣れない虫が大量に発生していることに気づきました。のちにこの蛾の正体が「クスサン」と判明します。この年は特に大発生してニュースになっていました。
MORUMORUを塗り終えて札幌に戻り、翌週幌加内へ来てみると、

真っ白に塗り上げたMORUMORUの外壁にこのような虫の排泄物(?)の染みがたくさんついていました。さらに、気持ち悪いので写真には撮りませんでしたが、壁面に産み付けられた卵がたくさん。

せっかく苦労して美しく白く塗り上げた私たちの研究所の壁が!とばかりに、すぐに卵を除去し(クスサンごめんなさい)、染みの上からMORUMORUを塗って修繕しました。
しかし、クスサンによる汚れだけではありませんでした。この一週間の間に雨が降ったようで、下から50㎝くらいの高さまで泥はね汚れがついていたのです。
そこで、新たなデザインアイデアをひらめきました!長くなりましたので、この続きは次回の記事でお話しします。
「真っ白に塗り上げた壁についた、予期せぬ汚れと泥跳ね。一見ショックな出来事でしたが、このピンチが新たなデザインのインスピレーションをもたらしてくれました。泥跳ねを逆手に取った、遊び心あふれる解決策とは? 次回、外壁塗装編の完結編をお届けします。」
